ヒューズ・高感。リレキ

ヒューズは適度に取り換えましょう。

距離感ドライブ

 帰省しています。今日は一日中ドライブをしていました。ついでに妹から頼まれて洗車もしました。一年で2,3回しか乗らない車の洗車をなぜやっているのだろう、と疑問に思いながら雑巾で車体をていねいに拭いていました。車を借りている身なのでそれぐらいはしても当然と言えば当然か。それに全自動洗車機である程度洗った後に拭くだけなので大した苦労でもないし。

 

 洗車をしたあと、運転の練習もかねて、よく行っていた場所や店をブラブラと回りました。「地元の友達に会う」みたいな帰省っぽいイベントは私には発生しません。なぜなら学生時代の交友関係が根絶しているからです。

 

 それに、そもそも帰省してるなら「家に居ろよ」って話かもしれませんが、その家に誰もいないので、一人でいてもしょうがないかなと思って外に出ました。

 家族は何をしていたのかというと、漁港まで魚を買いに行ったらしいです。妹もついて行きました。

 往復6時間はかけていったそうです。自宅用と親戚に配る用の魚とカニを買ってきました。年末ぐらい休めばいいのに、バイタリティのある両親です。私には理解できません。まあ、家族にとっては私が理解できないのでしょうが。でも、自主性は認めてくれるので、だいぶいい関係になりました。

 以前はイベントごとはほぼ強制参加でした。行かないと不機嫌になるので、気を使って参加していました。でも今は、私はそういうイベントごとを好まない人間だと理解して貰えるようになりました。

 

 お互いに変だと思いつつも、メシは一緒に食べます。それで家族としては十分なのだと思います。変に結託したり時間を共有しなくてもいいのです。

 いま、3人は下の階で紅白を見ています。私は一人、自室に戻ってブログを書いています。ここで団欒を楽しめないのが私の致命的にダメなところなのですが、そういう私のダメさを放っておいてくれるようになったのでよかったです。

 両親は嫌いでもないし、一緒に居て心地が悪いわけでもなく、ただ私のやりたいことと合致しないだけで、それはそもそも生き方のリズムが違うのだということが分かってきました。

 今日、買ってきた魚を実家に届けるように梱包していて、私も手伝っていたのですが、私が一つ詰める間に母親は4つぐらい詰めてしまうのです。それで「ああでもない、こうでもない」と私に指示を出してきます。昔はその指示がうっとうしくて反発もしましたが、もうそんなこともなくなりました。ただ私と両親は根本的な生き方のリズムが違うのです。違うリズムで踊っている人がいると他人はとても気になって口出ししたくなるのです。それは仕方のないことなのです。でもまあ、リズムが違うことを一々指摘されるのはやはりあまり嬉しいことではないので、私とリズムが違う人がいても自分は指摘しないようにしよう、と思ってはいます。

 

 脱線しました。

 ドライブをしていると、懐かしい情景とともに記憶が蘇ってきて、心がざわざわと波打ちます。よい記憶も悪い記憶も、どんどん湧いてきて感情を巻き込んで全身を強く押し流していきます。ハンドルを握りながら、この車はガソリンじゃなくて感情で動いているんじゃないかと錯覚するぐらいです。

 私は意識して思い出すのが得意ではありませんが、ただ音や画像やにおいにひもづけて記憶を管理しているようで、昔いた場所をふらっとするだけで台風の日に借りまくったレンタルDVDを無理やり消化するかのごとく、過去の記憶がぐいぐいと降り注いできます。

 私はそのときの記憶と感情、そして過去から変化した自分のまなざしによって記憶を再構築して定着させます。あのときは辛かったけれど、こういう点では役に立った、といったような具合でです。

 そうすることにあまり必要性は感じないけれど、楽しいのでやっています。だから、昔住んでいた街を訪れるのが好きです。社会人じゃなかったら一か月ぐらいふらふらと昔に住んでいた街を放浪したいです。

 そして楽しいだけじゃなく、過去の記憶を掘り起こすことの良さは、それが「もう二度と体験できないこと」だからです。どんなにすばらしい記憶もつらい記憶も、もう二度と体験できない。だから全てのことは、どうでもいいし、どうでもよくない。そんな感じで生きていることを再確認できるのです。

 

 それにしても、ドライブをしていて、街にあんまり変化がなくてびっくりした。この街は時間がゆっくり流れています。ドンキで3年前と同じ場所に陳列されているたこ焼き器を見つけたときには、ほっこりを通り越して戦慄しました。ドンキですら変化しない街ってすごい。でも電子シーシャとか微妙なトレンドは取り入れてました。

 あとよく行ってたお店も何件か回ったのですが、全部営業してませんでした。年末休みますよね。普通は。コーヒーが飲みたくて、でもせっかくだからスタバは我慢して、地元のお店に行こうとしたのですが、当然しまってましたね。でも店がつぶれていないのは確認できたのでよかった。



 明日からはケイタイの電波すらあやしい田舎に行きます。

 むこうでも見れるようにvvvvの解説動画をローカルに落としつつ、明日の準備をしたり、ちょっとした作業をして二時間後に下でそばを食べます。そのぐらいの距離感が、私にとっての家族です。