ヒューズ・高感。リレキ

ヒューズは適度に取り換えましょう。

けたぐり人生

 ポケモンの技に「けたぐり」ってのがあります。初代だと微妙な威力だったんで、だいたい中盤以降になるとリストラ対象になってました。

 

 それでこれってもともと相撲の技なんです。ポケモンって地味にオッサンのネタ(ユンゲラーとか)を仕込んでますよね。(相撲がオッサンの趣味かどうかは置いといて)

 

 「けたぐり」

 

 漢字で書くと「蹴手繰り」です。その字が表すように、相手の足を蹴って手繰りよせるように転ばせるワザです。柔道の出足払いと一緒ですね。

 

 それでこの技って相撲的には「ねこだまし」みたいな奇襲だとされるんですよね。だから、基本は弱い力士の苦肉の策みたいな見られ方をされるので、横綱がやったりすると「品がない」って言われるみたいです。相撲はスポーツでありながら神事でもあるので、品性みたいなのも問われちゃうわけですね。勝ち方も大事ってジャンプみたいでかっこいいですな。剣士の背中の傷は不名誉だぜ。

 

 大人になったり偉くなったりすると、そういう世間の目が厳しくなります。

 

 でも、偉くなったって凄くなったって、人間性ってそうそう変わらない気がするんですよ。よく有名人が人間臭い不祥事を起こして「幻滅した」みたいなコメントがありますが、そもそも才能と人間性は別物なので有名で金を持ってるからって、品がある必要はないと思うのです。公共性を求められる立場の人の場合は別ですけどね。少なくともエンタメは公共である必要ないと思ってます。

 

 まあ、他人の話は置いといてですね。

 

 私も、いい年こいて、ブログで臭いことを書いてるわけですが、これって人から見たら「イタい」んだろうなーなんて思ったりします。

 

 でも、私はそういう生き方しか出来ないんですよね。いい大人なんだから「けたぐり」みたいなことはやめなさいって言われましても、人生は守破離をとんとん拍子でなぞっていれば安泰ってわけじゃないから、他人に押し付けられた型や作法では生きていけない私のような人間もいるわけです。

 

 いつまでも他人の作った型に馴染めなくたって、それでも生きていくには「けたぐり」をドンドン使っていくしかないわけですね。

 

 それに、もう「けたぐり」は卒業したみたいにスマした顔してる人でも、ときおり思わず足が出ちゃってるときってありますしね。そういうときに、「あー足出しちゃった」って自覚できればいいけれど、卒業したと思ってると「相手から引っかかって勝手に転んだ」って思い込もうとするので、それじゃあいつまでたっても足癖が治らないですよね。

 

 私は足癖が悪いので、自覚的に「けたぐり」を使って生きていきます。イタくても、みっともなくても、いい大人がって言われても、技をかけたいって衝動と向き合わずに生きていくのはまっぴらです。