ヒューズ・高感。リレキ

ヒューズは適度に取り換えましょう。

障碍者雇用促進法について

ちょっと気になって調べたのでメモ(と呼ぶには長い)

 

 障害者の雇用の促進等に関する法律があります。

 そこでは、対象基準(労働者数100人以上*28年改正)の企業と公共団体は2%(公共団体はもう少し多い)の障碍者を雇用しなければいけないと定められています。

https://www.jeed.or.jp/disability/koyounoufu/om5ru800000010fh-att/om5ru800000010je.pdf

 

 雇用しない場合は、雇用数に満たない人数分×5万円(月額)を納付する必要があるようです。年間だと60万ですね。ただ改正後の数年は4万円に減額されるようです。

 

 それで納付されたお金はどこに行くのかというと、障碍者雇用をしている企業への調整金として使われます。これは各種障碍者雇用の助成金になって、障碍者を雇用をしている企業へと渡るようです。

 

 たとえば、発達障碍者を雇った場合の助成金ですが、労働時間にもよりますが年間120万円(中小企業の場合)のようですね。

http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/hattatsu_nanchi.html

 

 これって友人に発達障碍者がいたとして、会社を経営していた場合、雇うと助成金が貰えるのかなと思って調べてみたのですが、どうやら無理みたいですね。ハローワーク(もしくは紹介所)を経由しないとダメです。だから、もともと身内だったとか知り合いだったとか、そういうのは一切ダメみたいです。確かに、あんまり自由度を高くすると貧困ビジネスみたいな囲い込みが起こったり、コネのない障碍者の就労機会を奪うことになるので仕方ないと言えば仕方ないですね。

 

 こっちはもらえるみたいです

 

 障害者職場定着支援奨励金

http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/chiteki_seishin.html

 これは月額4万です。ただし職場支援員を配置する必要があるようなので、そういった方を雇うコストにあまり見合ってないように思います。しかも期間限定です。

 

 調べてみると障碍者雇用の制度的な支援はなかなか厳しいものです。障碍者と健常者の格差を埋めるというよりは、ダイバーシティ・マネジメントに取り組む意欲の高い企業をちょっと後押ししようか、ぐらいの内容に思えます。

 

 今後の生産は、多様性と特化がキモになってくると考えています。均質性と安定性が求められる業務はどんどんコンピュータに置き換わっていくからです。

 今までは、均質で安定した人材が求められました。なぜなら、管理コストが低くなるからです。日本は均質で安定した人材をそろえて、管理コストの面で優位性があったから成長したわけですが、現在は管理コストが技術の進歩でだいぶ減ったので、あまり優位性がなくなってしまいました。

 たとえば、挨拶と制服は「部外者の排除」という役割もあったわけですが、今ではカードキーと端末ロックに置き換えれば済みます。

 

 また、私は注意欠陥が半端なくてタイプミスが多いのですが、業務では開発環境がタイプミスを指摘したり、予測変換を出してくれるので問題ありません。

 

 そうなってくると日本の人口低下、高齢化の状況と相まって、「働ける人」の枠を出来るだけ広げていく必要があります。それにはダイバーシティ・マネジメントが急務に必要です。その状況で、意識の高い企業だけを後押しする仕組みなのは、政府の速度感がおかしいように思えます。

 

 ただ障碍者や高齢者雇用を強引に推し進めて、現場の受け入れ態勢が整わなくなってしまうと、企業も障碍者も共倒れになるので慎重にならないといけないという側面もあります。

 

 ちなみに障碍者が使用者の場合には、なにか制度があるかなと思いましたが、とくにありませんでした。(地方自治体までは探してないのであるかもしれないです)

 

 あと申請の条件を調べてたときに、いやーなやつを見つけました。

 

「各雇用関係助成金に共通の要件等」のB条4項の「受給できない事業主 」です。

 

性風俗関連営業、接待を伴う飲食等営業またはこれら営業の一部を受託する営業を行う事業

※これらの営業を行っていても、接待業務等に従事しない労働者の雇い入れに係る助成金については、受給が認められる場合があります。

 

http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/dl/kyoutsuu_youken.pdf

 

 これはモニョりますね。政府としてはリスクヘッジなんだろうけれど、ようするに政府は「性風俗と接待飲食の従事者は社会が守るべき存在じゃない」という考えを表明してるわけですから。性風俗や接待飲食が反社会的であるならば、そうならないようにテコ入れ(社会制度を導入し、監視と保護をする)したらいいと思うのですが、それよりも分断してしまえというのは乱暴すぎます。

 

 ちなみに熊本の震災に当たって、「障害者雇用納付金の納付期限の延長」がなされているようです。同時に「障害者雇用納付金の納付猶予」ってのもあって分かりにくいのですが、前者は熊本県内の事業主は自動的に延長になり、後者は熊本県外の事業主でも倉庫や工場が熊本にあったりして、実質の被害が大きい事業主向けということでしょう。こちらは申請が必要な様です。