理性的な本能とネコかわいい話

　朝起きたら思いのほか早い時間で、私は土日なら大体11時近くまで寝てるという典型的なダメ人間なんですが、奇跡的にこのような早起き(別に早起きでもない)をすることがあります。卵割ったらキミが二つみたいな奇跡。いや大袈裟だけど。もっとちゃんと起きれる日が多いよ。えっへん。

　最近はもうすっかり冬めいて、起き抜けに温かいものが飲みたいなと思ったので、とりあえずコーヒー入れました。湯気だったコーヒーをもってベランダまで行き、ぼんやりと外を眺めると、野良ネコがうにゅうにゅしていました。ネコってうにゅうにゅしてますよね！意味通じないですか？まあ、分かる人にしかわからないからいいか。
　私の家のベランダは猫が良く遊びに来ていて、掃出し窓を開けておくと勝手に家の中に入ってくるぐらい猫天国な感じで、トータル的にはボロいし、あまりいい家とは言えないのですが、そこだけは素晴らしいです。
　物件情報とかにも、風呂トイレ付きみたいに、野良猫付きとか書いてあったらいいのに。ってネコ嫌いな人もいるから普通にマイナス情報でしかないか。
　
　それで猫たちは、サイズ的にオスとメスって感じでした。毛並をみても若いオスとそのお母さんではないと思います。ネコって基本一匹狼ですので、とくにオスとメスが一緒のことってあまりないのですが、その二匹は割と仲良さそうにしていました。仲がいいと言っても、もう大人同士なのでちょっかい出しあったりはせず、互いに微妙な距離感で気を配ってるといった感じです。
　コーヒーを飲みながらその二匹をぼんやりと見ていて、これから恋仲になるのかなーとか、でも今は発情期じゃないっぽいし、ただ仲がいい感じなのかなとか思ってたら、なんだかちょっとネコが羨ましくなった。
　男女間の問題について結構考えるようになって、うまく言えないんですけれど、現状の男女問題やLGBTの抱える辛さって、中途半端に理性を獲得したせいなんじゃないかなーと。なんか中学生みたいなこと考えてますね。
　
　人間は知性を獲得し、それを応用して理性を獲得しました。けれど、知性の使い方は、人によっては非常に本能的に使われていて。それは田房さんのいう膜のように、自分に都合のいい論理を、自分の本能を満たすために作っている人も大勢います。
　そして、その本能のための知性は社会システムにまで組み込まれてしまっているものが有る。
　それが男女問題であったり、LGBT問題です。

　去勢されたネコたちは、別になんらのしがらみもなく仲良く生きています。いや実際はネコ社会的にあるのかもしれませんが、少なくとも外から見る分には分かりません。ネコにも性差はありますし、仲たがいをすることもありますが、ネコたちは性の有り様によって付き合う相手をフィルタリングしているというより、個体ごとに合う合わないを選んでいるように見えます。実質的に生殖が出来る相手かどうかって判断は、ネコ付き合いでは大した意味を持たないように思えます。

　それはネコたちの本能の優秀さなのですが、その点は人間より素晴らしい。今の人間社会は理性的に、論理的に都合が付けば本能を許してもいいという考え方が蔓延してて、いやでも論理的にいくら正しくったって本能がいやがってたらダメだろ普通に考えてって思うのですが、そうなると感情論だのなんだの言われてしまう状況が、ねこかわいいぜ。起き抜けに文章書いてるので、ちょっとやる気ないです。
　
　全く話が変わって私はナメクジの交尾が好きなんですけど、ネコ好きの人がナメクジ好きとは思えないので、不快にさせてそうでごめんなさい。
　それで昔、士郎政宗さんの漫画「攻殻機動隊」の1巻で、あの人は漫画の欄外にびっしりと注釈(というか本編から脱線した情報)を、ともすればクレイジーに思えるぐらい書き込む人なんですけれど、その欄外情報にナメクジの交尾が凄く美しいって書いてあって、それを読んだ私はずっと見かったのです。でもその当時はインターネットはありましたけれど、youtubeみたいな手軽な動画サイトはなかったのであきらめました。
　数年たってyoutubeが出来て、私はふとそのことを思い出し、動画を検索したら感動したのでした。個人的な感性なので、あまりお勧めとは言えませんがすごく綺麗でした。
　それでナメクジって雌雄同体なので、交尾も互いのオス部分とメス部分を交換するので、こういう部分も人間にはない優れている点でちょっとうらやましい。ナメクジは孤独な場合は、自分の持つ卵子と精子を自家受精させます。究極のユニセックスだ。

　あさからナメクジの話してごめんなさい。

　人間は理性を獲得したけれど、その理性で本能を解体しつつも、都合よく残しもしてて、その結果に歪な形で本能があるようになってしまったのでした。

　ネコ暮らしも気楽じゃないけど日曜のダラッと甘えた朝ぐらいは、ネコ羨ましいっていいたい。